特別審査員に訊く! 春日森春木監督へ15の質問

面白さをぎゅぎゅっと凝縮!
小さなこだわりが大きな笑いを生む!

数々のショートアニメを手掛けるアニメーション監督・春日森春木氏に15の質問にお答えいただきました!見る人をほっこり楽しい気持ちにさせるショートアニメの真髄に迫ります!

1. アニメ業界を目指したきっかけはなんですか?

子供のころから、演劇やアカペラなど舞台に立ってお客さんを喜ばすことが好きで、こういうことを仕事にできれば素敵だろうなとは思っていました。学生時代に趣味でFlashアニメを作っていた時期に新海誠さんやラレコさんなど、プロの個人制作クリエイターが出現してきて、自分にも出来るのではないかと思ったのがきっかけだと思います。

2. アニメ業界に入るまでのいきさつを教えていただけますか?

TVCMの制作会社で制作進行(プロダクションマネージャー)をやっていたのですが、その仕事をやめて1年間学生をやっていました。その時に趣味でFlashでアニメを作ってネットにアップしていたものを、たまたま見たプロデューサーが僕にお声をかけてくれて、「猫ラーメン」の制作に参加しました。

その後、劇場版「秘密結社 鷹の爪」のアシスタントとして、DLEさんに入社し、Flashアニメではありますが、アニメ業界の中でのキャリアをスタートしました。

3. アニメーション監督になるまでにどのようなキャリアを積まれましたか?

DLEさんでテレビ向け短編Flashアニメを多数作った後、1年半でフリーランスになりました。当時は脚本、作画、音響、撮影、ときには制作進行、声優まであらゆることを一人でこなしていたため、フリーランスになって最初のお仕事である「地獄甲子園」から監督という立場でしたが、普通のアニメーション監督とは違って長いキャリアを積んだという印象はありません。ただTVCMで制作進行やっていた時の経験のおかげで、ディレクションをする素養は出来ていたと思います。

4. 一番影響を受けた作品はなんですか?(映画、アニメ、漫画、小説問わず)

現在は俳優として活躍されている吹越満さんのシュールな一人芝居が僕の原点です。

5. アニメーション監督のお仕事で一番楽しかったことはなんですか?

僕はコンテを描いた後に必ずVコンテ(ビデオコンテ)を作るのですが、その時に必ず自分で演じたガイドをいれます。最初は尺を見る目的のものだったのですが、今ではそのガイドが入ったVコンテを声優さんにも送ります。そのガイドを面白がってくれる声優さんもいて、そんな感想をもらうのが楽しいです。

6. 漫画のアニメ化以外にも、コントのアニメ化などに関わっていらっしゃいますが、それらの大きな違いはどんなところでしょうか?

声優さんは出来る限り出来上がった絵にアフレコする方がいい演技をしていただけるのですが、俳優さん、芸人さん、タレントさんは先に声をとって後から絵をいれるプレスコ形式の方が、個性を出した良い演技をしていただける場合が多いので、その点が大きく違います。デジタルでアニメを作ると、プレスコでのアニメ制作が比較的楽なので、コント独特の間を生かしてアニメを作れるよう心がけています。
※プレスコ…プレスコアリングの略称で、音声を先行して収録する方法のこと。

7. 脚本で意識していることはありますか?

ギャグアニメの脚本では、字面で面白いものと、アニメにして面白いものは意外と違うので、出来る限りコンテに描いた時に面白いものになるように意識します。絵にして面白い脚本は読んだ瞬間、絵が浮かぶので、そういう脚本になるように心がけていますし、自分がコンテを描く時は脚本書かずに、いきなりコンテから入ることは多いです。

8. 演出で意識していることはありますか?

音と間です。アニメは画も大事ですが、音もとても大きな要素です。

特にギャグアニメはテンポが大事でテンポを作るのは音だったりします。ボケやツッコミのタイミングは2フレームずれるだけで面白くなくなったりするので、気を使います。お笑い番組の場合、笑い声を入れると大して面白くないネタでも面白く感じますが、アニメの場合は、笑い声を入れると途端に寒くなるので、間を詰めるとか、動きやSEでカバーする、世界観でクスリとさせるよう意識するなどしています。

あと、ギャグをやる時は、キャストさんにはふざけた声を出さないようにお願いします。ふざけて笑わせようとするより、演者は真面目にやった方が見ている方は面白いので。

9. 3秒以上のGIFアニメーションを募集とありますが、短いアニメを制作するポイントはなんでしょうか?

メリハリとテンポだと思います。僕はアニメ業界に入る前はCM業界にいたのですが、CMは15秒の作品を作るために何度も何度も繰り返しプレビューして最高のタイミングでカットを割ったり、音声をつけたり、テロップを入れたりという作業の積み重ねで出来上がります。僕もアニメを作る時は何度もプレビューしてタイミングを模索します。逆にプレビューを何度も繰り返す時間さえあれば、技術や経験の足りなさを補うことが出来ます。その点、短編は何度プレビューしてもそんなに時間はかからないので、納得いくまでプレビューした方がいいと思います。

10. GIFアニメーションを作る際のポイントはありますか?

画像が荒いので、そこを逆手に取ったほうがいいのではないでしょうか。たとえば緻密な作画は向いていないので動きで勝負するとか、絵の上手さには自信がなくても、テンポやアイデアで勝負するとか。

11. アニメ制作において一番大切にされていることはなんですか?

アニメは絵画と違って、見る人が時間を使って鑑賞するものなので、その使った時間に見合うだけの何かを与えられるようにという事を考えています。

12. アニメーション監督のお仕事で意識されていることはありますか。

意外と孤独な仕事なので仕事に集中しすぎると、すぐ独りよがりになったり、思考が堂々巡りになったりします。出来る限りプライベートをおろそかにしないで、思考が固まらないよう気をつけているのですが…なかなか難しいです。

13. 春日森春木監督にとって、アニメの醍醐味とはなんでしょうか?

自分の経験が良いことも嫌なこともすべて作品に生かせること。アニメを職業にしていると海外の人がものすごく興味を持って話をしてくれるので、海外に行った時に友達が作りやすいことです。

14. 応募作品を見る際に一番注目するところはどこですか?

個性です。

15. 最後に応募者の方々に向けてメッセージをお願いいたします。

絵は下手でもかまいません。それよりも楽しんで作ること、作品を完成させて応募することが一番大事です。もし、このプロジェクトBIG SHIPに応募する作品があなたの処女作であるなら、「名作を作ろう!」と意気込む必要はありません。今自分が出来る範囲で、楽しんで作れるものを完成させ、応募・発表できる形にすることが大事です。それが個性になります。

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募集要項はこちら!

春日森春木 アニメーション監督

代表作「ケロロ~keroro~」「LIFE!アニメ」など

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