各部門インタビュー WITノベル部門

WITノベル創設秘話インタビュー!!

「進撃の巨人」シリーズをはじめ、「甲鉄城のカバネリ」「ローリング☆ガールズ」といった多数のヒット作を生み出し、まもなく放送開始されるTVアニメ「魔法使いの嫁」を手掛けるアニメーション制作会社「WIT STUDIO」。Amazon.co.jp、マッグガーデン協力のもと「WITノベル」の門出を飾る作品をコンテストで募集しているが、そもそも「WITノベル」とはなんなのか?どのような作品を求めているのか?その疑問を解決するべくWIT STUDIO代表の和田丈嗣社長にインタビューを敢行!

WITノベル設立の経緯とは?

ではまず、なぜWITノベルを設立しようと思われたのかお話を伺っていきたいと思います。

プリプロ工程の精度を上げるために、WITノベルを立ち上げました。京都アニメーションさんがKAエスマ文庫を立ち上げて、面白いオリジナル作品をたくさん作られています。その動きを参考にさせて頂き、オリジナル作品を作る際に「一番重要な物語を小説という形で世に出して、市場の評価を得てからアニメ化」という工程を踏もうと思いました。

SFやファンタジーは、膨大な設定を組み上げて世界そのものを作っていかなければならないジャンルということもあり、小説という媒体が一番向いていたっていうのも大きいですね。
※プリプロ…プリプロダクション。ここでは「原作」に近い。

なぜ、WITノベルはSFやファンタジー作品を求めたのでしょうか?

あくまでも、WIT STUDIOがアニメーション化をすることを前提にしているためです。僕らが作ってきたアニメーションの中で評価して頂いたものが、SFやファンタジーが多かったんです。世界そのものを作ることによって、見たことが無い物語を描くことができた。その部分が評価されてきたと感じています。

映像化前提のWITノベルの今後の展開とは?

WITノベルはどのようなレーベルにしていきたいとお考えでしょうか?

そうですね、このレーベルで出版される小説は全て映像化していきたいと思っています。

様々なレーベルからたくさんの小説が出版されている中で、アニメーションスタジオのレーベルのポイントは、やはり映像化だと思っています。なので、とにかく絞り込んで年に1タイトルもしくは2タイトルぐらいの出版を目指しています。そこがかなり特徴なので、皆様が考えられる一般的なレーベルとは異なるかもしれません。

作家さんへの打診もシンプルです。「一緒にアニメーションを作りませんか?そのための小説を書いてください!」っていう形で進めています。

映像化が大前提ってすごいことですね。

大前提です。WITノベルシリーズ第1弾として、2018年に冲方丁さんの最新作の刊行を予定しているのですが、その企画もすでにアニメーションの監督、キャラクターデザイナーが決まっています。それらを決めた上で、内容に関する話し合いに映像チームの意見も交えて進めているので、本当に「アニメーション作りの工程の一つとして、小説の形式で作っていく」ことがコンセプトですね。企画の段階からイメージボードを小説家さんに渡して、「こんなイメージ」と共有していきます。

小説の段階から映像化を意識した作り方なんですね!小説という名称も便宜上、当てはめたという印象を持ちました。

だから、「WITノベル」って言わせてもらっています(笑)。映像化を前提にして作っていくので、アニメーションはもちろん、軌道に乗れば将来的には実写も狙っていきたいと思っています。

映像化が前提だから求める作品のジャンルが明確なんですね。

そうですね。ここは、あえてジャンルを絞ろうという話になりました。やはり最後発の中で、これだけたくさん新人賞ある中で応募をして頂くためには、募集する意図を明確にしなければならないと考えました。

クオリティの高い作品が期待できそうですね。ただ、そうなると作家さんに求めるものは言葉以上に多くなりそうです。

共同作業であるアニメーション制作の現場に参加してみたいと思ってもらえるかが、とても大きいと思います。作家としてだけでなく、アニメーションのスタッフの一員にもなって頂く。そして、アニメーション作りは、2年、3年と長期間に渡るためかなり大変です。こういうことも含めて全部を楽しんでやっていける方に応募して頂きたいですね。実は、英語作品の募集も受け付けているので、海外の方とも一緒にやれるといいなと思っています。

WIT STUDIOのアニメーションにかける「熱量」

応募者へのヒントとして、和田さんがアニメーション制作において大切にしていることを教えてください。

WIT STUDIOのアニメーションの特徴は「熱量」だと思っています。画面から受け取れる密度と熱量。言い換えると情報量かもしれないですけど、なるべく作り手側の気持ちがフィルムに繋がるようにすごく意識して作っていますね。「甲鉄城のカバネリ」や「進撃の巨人」、「魔法使いの嫁」とか、画面を見たときに丁寧に気持ちを込めて作っているということが伝わると一番嬉しいです。

アニメはSF・ファンタジーに関して言えばCGや実写に比べると戦いやすく、絵を描くというだけでなんでも表現できるのが最大の特徴だと思っているので、とにかく丁寧に、そこにこだわって作っています。

確かにWIT STUDIOさんが制作された作品はとても熱いものを感じます。

熱量かけて作っていくためには物語がしっかりとしていなければならないんです。世界そのものを作って、その中で生きている人を描く。その膨大なものをぎゅっと圧縮して表現するから密度、熱量がでる。

「魔法使いの嫁」はヤマザキコレ先生の世界もとても大きく緻密で繊細。その圧倒的な情報量があるからこそ、圧縮することができる。とても素晴らしい作品です。そして、そういう作品をきちんと映像化するということをこれからもやっていきたいですね。こういう考え方で作ってきたからこそ、WITノベル設立も個人的には自然な流れだと感じていて、協力してくれるマッグガーデンさんとAmazonさんがいてくださったことはとても感謝しています。この形だったら、もしかしたら強いオリジナルを作るシステムができるかもしれない。そのためのチャレンジだと思っています。

アニメーションにおける「物語」の位置づけはどのように考えていますか?

一つのセリフでどこまでバックグラウンドを感じさせるか。実写・アニメーション問わず、今とてもエンターテインメント全般に過剰さが求められていると思っています。これは、単純な物量の話ではなく、情報量ということです。そんな中で、アニメーションに可能性を感じているのは、一つ一つの絵に意味をもたせることができるから。そう言った意味でこれからアニメーションはよりたくさんの人に求められて、より広がっていくと思います。

求めるのは「心の中に明確に世界を持っている人」

募集要項には「SFやファンタジーなどの想像力を刺激する普遍的な価値観を描く作品」とありますが、BIGSHIPではどんな作品の応募を楽しみにしてますか?

強いビジョン、強い世界観、強い物語をもっている方をすごく期待しています。「心の中に明確に世界を持っている人」。そういう人と出会えると嬉しいです。

だから、唯一無二の心の中にある世界を表現できている作品を一番評価したいですね。それが映像の原石として一番欲しいからです。映像は、人に伝える手段があります。音楽もあるし、間もあるし、セリフもある。そのため、強い世界を私たちに見せてください。

それでは最後に応募者へのメッセージをお願いいたします。

今回、僕の方でどうしてもこの人たちしかいない!と依頼をさせて頂き、冲方丁氏と貞本義行氏に審査員になって頂きました。僕が考えるWITノベルで実現したいことを、すでに達成されているお二人です。応募される方は、この二人のやってこられた作品をもう一度見返してもらえると、WIT STUDIOが目指す作品が伝わると思います。

映像を作るのはとても楽しくて、その世界に来てもらいたいと思い、今回こういう賞を設けました。是非応募してくれると嬉しいです。あなたが伝えたいと思っていることが、もしかしたら言葉で話して理解されなくても、小説の形であれば私たちは理解できるかもしれません。表現したい世界が詰まった小説を楽しみにお待ちしております。

ありがとうございました。

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募集要項はこちら!

WITノベル部門 株式会社ウィットスタジオ

2012年設立。「進撃の巨人」はじめ、クオリティの高さで世界中に衝撃を与え続けるアニメーション制作会社。

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